賃貸においての義務と権利について

賃貸においての義務と権利について 賃貸契約は法律にのっとった契約行為ですから、そこでは必ず義務と権利が生じます。
ではそれぞれにはどういったものが該当するのかというと、まず義務は借主側に「家賃を払い退去時には契約の通りに原状回復を費用を負担する」、貸主側に「家賃が支払われる限り居住を許し、物件の責任を負う」とった義務があります。
このうち注意が必要なのが「物件の責任を負う」というところで、これは例えば物件が自然に壊れた場合には貸主が修理費用を負担するべきだということになります。
ここは賃貸契約の中でも特に問題になりやすい点ですから必ず覚えておきたいところです。
次に権利についてですが、例えば借主側には「費用償還請求権」として物件の故障個所の修繕費用を支払った際に家主に請求できる請求権が認められていますし、貸主側には「借主が契約違反の行為を行った場合に契約を解除する権利」が認められています。
賃貸契約もそこにはしっかりとした法律の関係がありますから、トラブルになりそうな時は必ず法律を確認するようにしましょう。

賃貸において費用償還義務とは

賃貸における用語の一つとしてあるのが費用償還義務です。
これはざっくりと説明すると「入居者が物件を修理したり改善するためにお金を払った時は家主がそのお金を返しましょう」というものなのですが、より細かく見ていくとそこには二つの意味があります。
まず一つ目が必要費に関するもので、これは例えば住宅の窓ガラスが台風で割れて修理をした時などに発生するものです。
こうした賃貸物件に必要不可欠な部分が破損した時の緊急対応として入居者が費用を払って修理してもらったなどの場合には貸主に対してその費用の支払いを求められるのです。
これに対する二つ目が有益費と呼ばれる物です。
有益費とは物件の維持に必ずしも必要ではないものの物件価値を高めるのに寄与したと判断できる作業に関して必要になった費用のことで、この場合は借主が即座に償還に応じる必要はないとされています。
また有益費はその費用の全額を支払うべきとされているわけではなく、物件の価値増大分を負担するのでも良いとされているため、例えば「入居者がフローリングを張り替えて30万円かかったが、物件価値としては10万円の増大だった」などの場合、家主は30万円ではなく10万円を支払っても良いわけです。
ただどちらにせよ入居者が勝手に作業した部分に関して費用償還を求めるとなるとトラブルのもとですから、物件に手を加える場合は可能な限り家主に相談してから行うようにしましょう。